準備の章(事前準備と計画) |
参加者の力量に合わせ、今回どんな山行スタイルにするか、プランを立てましょう。
(ピ−クハント、縦走、雪山、花・木を見る、温泉等。
山の選定、交通情報、所要時間、料金、気象データを収集する。
※登山口までのアプローチは大丈夫?。
行程表の作成。行程(簡易スケジュール)をメンバーに通知しておきましょう。
足の遅い人は事前に鍛えておきましょう。
集合時間、集合場所は、解り易い場所で、参加者が間違えない様に正確に案内しましょう。
※家族にスケジュールを出掛ける前に知らせておきましょう。
同行者の携帯電話番号を把握しましょう。(通話エリアの確認)
朝飯をしっかりと食べましょう。
トイレ(大便)は済ませておきましょう。
市外局番+ 177 で天気予報を確認しましょう。
装備品のチェックと点検(コンロの燃焼等)
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集合の章(集合) |
遅刻した場合は、不参加とみなし,原則として待ちません。
挨拶、参加者の紹介。
天気予報の案内。雨、風、濃霧、寒さ(気温)、雷等
天候により、行程を変更したり、温泉、史跡めぐりなどに変えることもあります。
コースの概要と日程を伝える。
※万一はぐれてもよい(下山できる)ように伝えておきましょう。
コースの概要:小屋、水場、植生・花の満開時期、山頂の広さ等。
迷いやすい地点、危険箇所、悪天の場合のエスケープルートを案内する。
登山道の状態(雨の場合も含めて)トイレ、休憩、昼食場所を案内する。
安全管理は各自で考えて行動してください。
山での怪我・病気は最終的に自己責任です。
※怪我、病気はお互い様、皆で最大限のサポートをしましょう。
各自携帯電話等を携行し通信手段を確保しましょう。(電池切れに注意)。
リーダーが歩く順番を決めたら,必ず守ってください。
※後ろのほうには体力のある人を持ってきます。
ル−トファインディングに不慣れなら、その部分だけ適任者に権限委譲すれば良いです。
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ルール・マナーの章(ルール、マナーを守る) |
山へ都会を持ち込むことは他人からは迷惑なことである事を認識しましょう。
はしゃぐ姿は目ざわり耳ざわりと心得、節度をもった言動をしましょう。
熊の出没する地域・季節は、熊よけに音の出るものを持っていくことがあります。
※登る山域やパーティーの人数で判断しましょう。
ゴミは必ず持ち帰りましょう。体力、技術のある方は下山時にゴミを拾いましょう。
たばこを吸う人は携帯用の吸い殻入れを用意、ポイ捨ては絶対にダメです。
タバコはフィルターと紙は必ず持ち帰りましょう。
歩行中は禁煙です。※人と環境に配慮
自然を大切に!山草(昆虫)の採取、傷つける行為は厳禁です。
山菜採りなども場所を考え、節度を持って行いましょう。
※山菜やきのこも地元の方々の物です。
登山道をはずれての写真撮影や観察は慎みましょう。
休憩のときも植物の上に座らないよう心がけましょう。
高山植物は踏まれるだけで枯れてしまうものです。
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服装の章(登山ウエアの確認) |
原則として個人の自由ですが、長袖、長ズボンが基本です。
※自分で天候、気温の判断をし、適切な服装の準備をすることが大切です。
※軽くて暖かく防水性、透湿性、速乾性に優れたものなら尚良いです。
山頂付近の風が強い所では夏でも寒いです。(本日の最高標高は?)
山登りの三種の神器と言われているのがザック・靴・雨具です。
天候が急変することがあるので、雨具は必ず携行しましょう。
※ひとたび悪天候に変われば、風は想像以上に強く寒いです。
体温が下がり疲労も加わり、行動が鈍ります。
※雨具は防風の役目もします。どんなときも必ず携行しましょう。
上下セパレート型でないと不便なことが多いです。
沢山の人とすれ違ったりしますので、傘でない方がよいです。
靴:登山形態によって様々な靴があり、その人の上達度や好みによっても分かれます。
※時には足首保護や防水性さえ無視して軽量化を優先することもあります。
※ズックなどは滑りやすく怪我をします、とくに下りは足首を痛めます。
※軽量の革靴が良いと思います。
ザックカバ−、雨でザックが濡れると重くなりますから付けましょう。
サングラス:紫外線から目を守りましょう。
帽子:夏は日差しを防ぐのが目的ですから、軽くてツバの大きい物が良いようです…。
※ツバが大きいと前方が見えにくいので、枝や岩に顔をぶつけ怪我をしないようにしましょう。
冬は毛糸の帽子(耳まで隠れるもの)が暖かいです。
手袋:標高が上って風雨があると夏でも冷たいから、持っていきましょう。
ストック。残雪期では雪用のバスケットを着けましょう。
※またはピッケルにバスケットを着ける。
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装備の章(個人装備・食料・健康状態の確認) |
山登りの三点セットと言うのは雨具・水筒・ヘッドランプ
※以上三点は絶対必要です。
地図・コンパス(方位磁石)は必ず携行しましょう。
※マップケース等もあると便利です。
装備(アイゼン、ワカン、ピッケル、ヘルメット等)を持参しているか確認しましょう。
荷物はザックの中に収まるようにパッキングしましょう。
ヘッドランプは予備の電池、電球も忘れないように用意しましょう。
※または小型の懐中電灯があるとヘッドランプが点かないとき安心です。
予備手袋・靴下、目出帽、ネックゲーターは必要に応じて用意しましょう。
冬季は替手袋等を必ず携行しましょう。
水量は普通1000mlで足りると思います。
内500mlは真水が良いでしょう。目や傷を洗えます。
※大き目の水タンクならいざという時、コンロで湯を沸かし湯たんぽとして使えます。
他に保温ポット500mがあれば熱い湯がすぐ飲めます。
帰りに入浴するならタオルも必要です。手ぬぐい、バンダナでも代用可能です。
着替え:軽量化を考えて最低限にしましょう。
着替えて濡れた下着をビニ−ル袋に入れて背負う方もいますが、
濡れた物は重量が増えて体力を消耗させます。
着たまま乾かしてしまう考え方が大切です。
救急用品(薬品)は自分の体調を考えて、各自必要最小限のものを用意しましょう。
※傷薬、バンドエイド、ガーゼ、テーピングテープ、軟膏、バンテリン等。
下痢止め、鎮痛剤、鎮静剤、虫除け、虫刺され用薬品等
お腹が空かない内に前倒しで食べれば疲れない体を保つことが出来ます。
糖質(炭水化物)を中心に塩味・酸味を混ぜて飽きないように工夫しましょう
。
梅干はクエン酸を含むと同時に、発汗で失われた塩分を補給してくれます。
レモンは豊富に含まれているクエン酸が疲労素である乳酸を分解してくれます。
暑い時は塩味・寒い時は甘味・疲れた時に酸味が美味しいのは、
体が要求しているからです。
防寒着は必要に応じて用意してください。
GPS、高度計を持っている方を確認しておきましょう。
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出発の章(早出、早着が基本!) |
入山カード(計画書)の記入・提出
準備体操は、身体を温め、柔軟にしますので、山行に備えて必ず実行しましょう。
※準備運動では足りない人は、休憩時間などにストレッチをするとよいでしょう。
足の遅い人に合わせる。※地形により速度は変えます。
身体の不調や疲れたとき、または歩行速度が速すぎるときは、
遠慮なくリーダーに知らせましょう。(トップの歩行調整または休憩)
※無理なガンバリは危険です。疲れ切ってからでは,疲労はなかなか回復しません。
体調不良はお互い様です、いつ自分がそういう立場になるかわかりません。
一列で歩く。
登山は登り優先です。適当なところ(安全な山側)で待機して道を譲りましょう。
後ろから追い越してくる人にも道を譲りましょう。(林道等は右側通行)
一般的には、登り優先ですが、団体登山の場合は、少人数の人を優先して下さい。
※少人数の方を優先させることが、待ち時間のロスを少なくします。
分岐点では全員がそろうまで待機しましょう。
他のパーティーの事故を見たら積極的に救助しましょう。
雨具は早めに用意しましょう。
やむをえず(トイレ等)列を離れようとするときは、待ってもらいましょう。
先行者のトレースを全面的に信用しないでください。
考え事をしながら歩かないでください。
大雨は崖崩れ、鉄砲水、沢の増水を招きます。
強風は身体の自由を奪い、転落をさそいます。
雷は落雷の悲劇を招きます。
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休憩の章(小休止) |
小休止(不調者の早期発見)(体調・装備・行程などの再チェック)歩き始めて最初の休憩は早めに20〜30分程度でとり、靴紐、パッキング、衣服
などの調節をします。とくに、初心者には気を配りましょう。
以後の休憩は、40〜50分ごとに5分程の休憩をとりましょう。
休憩のときは,あらかじめ,出発時間を伝えましょう。
長すぎる休憩は身体を冷やし、かえって疲労の原因となります。
気温の低いときや風の強い時は、体を冷やさないよう上着などを着ましょう。
脚の疲労を防ぐために、腰をおろすよう勧めましょう。
休憩ごとにメンバーの体調に気を配り、行動食や水分の補給を促しましょう。
汗で失われる水分を補給しないと脱水症状になります。
※少し進むと血液がドロドロ状になって血栓の危険があります。
喉が渇く前に前倒してこまめに、少しずつ飲むのがコツです。
アメやチョコレート、パンのように短い休憩時間で食べられる
行動食を用意するとよいでしょう。
登山中は最低でも2時間に1回は食べ物を補給しましょう。
※休憩時間に間に合わせた行動食をとりましょう。
山で迷わないために常にコンパス等で現在地を確認するようにしましょう。
※昔の記憶だけに頼らず確認を怠らないようにしましょう。過信は禁物です。
使用する際は磁気に影響されないようにしましょう。
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歩き方の章(歩行) |
地球(引力等)を敵に回さない。(フラット・フッティング、呼吸法等)
歩きながらラジオをかけるのはやめましょう。歩くときはなるべく静かにしましょう。
※静かに山を楽しみたい人にとっては騒音であり、苦痛になります。
注意が散漫にもなって危険です。
山では、小鳥のさえずりや沢の音、風の音など、自然の音を楽しみましょう。
おしゃべりに夢中になって浮き石に足を乗せないようにしましょう。
話や景色に夢中になって、足もとから目を離さないようにしましょう。
足元だけ見て歩いていると、登山道に張り出している岩角や木の枝に頭、
顔をぶつけます。
跳んだりするのはケガと疲労のもとです。ゆっくりと着実に歩きましょう。
山のマナーや技術などを、みんなで教え合いましょう。
※体力を使わない、膝に負担を掛けない、怪我をしない歩き方等。
安全な登山はしっかりとした技術と経験です。頭ではなく身体で覚えましょう。
挨拶をしましょう。行き交う登山者の服装、特徴を覚えておきましょう。
登山道上に足場の悪い所や迷いやすい所などがあったら、情報として伝えましょう。
悪路,難所を通過するときは、全員が通過するまで待機し、
先に行ってしまってはなりません。
初心者には助言や援助をし、安全に通過できるように手を打ちましょう。
岩場の通過は一人ずつ行いましょう。鎖やはしごが付いている所では、
前の人が通過してから次の人が歩き始めるようにしましょう。
※初心者と経験者を交互に組み合わせると時間的ロスも防げます。
木の根や浮き石・滑りやすいところなど、
注意が必要な場合は,後ろの人に申し送りをしましょう。
岩稜地帯の岩場・鎖場を安心して通過するためには三点確保が基本です。
岩稜地帯では上半身を岩から離し、重力(地球の引力)に対して垂直に立つ。
※胸を張り、膝に伸縮性を持たせリラックス、岩にへばり付いていると足元が見えませんし、足が滑ります。
石を絶対に落としてはいけません。
石を落としたり、石が落ちてくるのを発見したら「落石−ラクセキ!ラク」。
危険なところは、後ろから来る人に言い伝えましょう。
沢の徒渉は石が滑ります。跳ばないようにしましょう。
もし道に迷ったら、自分が判る地点まで戻りましょう。道に迷った時、リーダーの了解を得ずに勝手に道探しをしてはいけません。 |
昼食の章(昼食:行動食) |
昼食には30〜40分が適当でしょう。しかし、行動計画や天候によっては
短時間で済ませたり2回に分けて食べる場合もあります。
キツイ山行では体も胃腸も疲れてしまって、オニギリは受付けないようです。
出発時間を常に伝える。
食事の残り物は持ち帰り、食器の汚れはティッシュペーパーなどでふき取って下さい。
山小屋などにトイレがあれば、それを利用しましょう。(携帯トイレの携行も一考)
どうしても排泄をしなければならないときは、場所を選びましょう。
ロールペーパー(トイレットペ−パ−)はティッシュと違って水に溶け易いので環境に優しいです。
ペーパーは埋めるか持ち帰ります。
山座同定。※地図に予め方位を記しておくと便利です。
ラジオ、携帯電話等でお天気をチェックしましょう。
急に悪天候になったら引き返すか、無理をせず安全な道を下山するか勇気を持って決断しましょう。
最大の目的は、山頂を極める事ではなく、無事に帰ってくる事です。
コンロを持ってきた方は積極的にお湯を沸かしてください。
※体力、技術、装備の優れた人は、それを仲間のために役立てましょう。
初めての参加者や新会員、なじみの薄い人が参加した場合は、
「孤独」にならないように、暖かい心配りをしましょう。
自ら自己紹介をし、親睦を深め合いましょう。
大声で談笑しがちになり、まわりの人の迷惑にならないよう、節度を守りましょう。
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緊急時の章(荒天時の対処) |
雷・・高い木の真下、テントの中は危険です。傘、ストック、ピッケルなどの金属を身から離す。
身を低くし、高い木から2m以上離れて、こずえから45゜以内の所が安全でしょう。
パーティーが多勢の時は、被害が大きくなるのを避けるために分散して避難しましょう。
濡れた地面に座る、伏せるのは危険です。
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下山の章(事故の予防) |
下山時の事故のほうがはるかに多いです。
下山時は、靴ひもを締め直すと同時に気持ちも締め直しましょう。
下山時は,とくにスリップしないように気を引き締めましょう。
疲れると転倒率がぐんと高くなります。
最後まで気を引き締め、安全に気を配って歩きましょう。
下山時は特に膝に負担がかかりますので、意識的に歩幅を小さくすると良いでしょう。
※ストックの活用や登山道脇の木や岩をつかむのも良いでしょう。
ストックは特に下山の際の強い味方です。
正しい歩き方が身に付いていない内にストックに頼り過ぎると、
下山時に突き損って大事故になる恐れがあります。
ストックの短所は重い、邪魔、手が塞がってしまう、忘れ物になるでしょう。
声を掛け、勇気づけて脱落防止に努めましょう。
事故には予兆があると言っても過言ではないでしょう。常にその気配に注意しましょう。
※兆候に応じて即休憩をとる、エネルギーを補う、疲労回復パップ剤を貼る、
過重を減らすなどの処置をしましょう。
疲労が溜まると、注意力が散漫になったり、
バランスを崩し滑落や転落、転倒事故が起こりやすくなります。
疲れた筋肉をほぐすため整理体操を行いましょう。
時間に余裕のあるときは、温泉や銭湯に入ってから帰るのも、
翌日に疲れを残さないために有効です。
全員がそろっていることを確認して解散します。
寄り道をするときは家族への連絡をしておいてください。
次回の山行の参考に記録を取りましょう。
珍しい山野草の場所は書かない。教えない。その山との約束です!
思い出を文章にすると、楽しさを再び味わう事が出来ます。
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雪山の章(雪山の注意点) |
冬季は避難小屋のある山に登りましょう。
アイゼン、ピッケルを携行しましょう。
冬期のホワイトアウト、ビバークは風を避ける、寒さをしのげる場所を早めに確保しましょう。
※下りではトレース(ステップ)を壊さないでください。
次に登る方がステップを切り直さなければなりません、滑り降りる(尻セード)はトレース外で!
雪崩れ対策用の三種の神器はビーコン(捜索)、ブローブ(プロービング)、シャベル(掘り出し)
雪山では雪崩れに注意(ウインドスラブや人が雪崩れを誘発する事を知っておく)
埋没者を15分以内に発見、救助することができれば助かる可能性が高いようです。
スノーピットチェック(弱層テスト)、その他の情報と組み合わせ判断しましょう。
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共同装備の章(共同装備) |
工具、結束バンド、ガムテープ等。
テーピングテープ、三角巾等 |
非常装備の章(携行したい非常装備) |
暖をとる為の小型のコンロ。
※コンロが点かない時の用心にライター、又は防水マッチを用意
ツェルトまたはエマージェンシーシート。
キャンドルまたはろうそく(ろうそく立ても)
※キャンドルが1本あると暖も取れて心強いです。
湯たんぽになる水筒
保温ポット。
※疲れたときや寒い時、すぐ飲める温かいお湯があると、体も心も元気になります。
ヘッドライトが点かない時のために小型のLEDライト
非常食に乾パン等を一袋持ちましょう。
以上の装備がプラスされると少し安心です。
軽量化を最優先する山行も多々あります、自分の体力と相談しましょう。
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コンロセット
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ツェルト
又は
シート
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キャンドル
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水筒=湯たんぽ
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保温ポット
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懐中電灯
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